アトピー性皮膚炎の基本と傷跡との付き合い方

〈注目記事〉アトピー肌用の入浴剤を実際に試した感想。実際どうなの?

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アトピーの原因

アトピーという言葉は「場所が不特定」という意味のギリシャ語に由来し、特に表皮の反復的な痒みを伴う湿疹が主な症状である。そのため、痒みが強い時は意識するものの、症状が収まると処置をやめてしまう場合がある。未だ疾患の原因が解明されていないが、皮膚が乾燥しやすい素因と外部の刺激に対するアレルギーを起こしやすい体質を持っている患者が多い。

非常に強いかゆみに苦しめられるケースも少なくない。人によっては入院が必要になるケースもあるという。かつては乳幼児特有の病気であり、これは遺伝性のものでアレルギー症状が原因の大半であったためと考えられる。しかし、近年は成人してから再発あるいは新たに発症することもあるため、生活環境との関連があるとも言われている。

特に言われるのが外因性のものやストレス性の要因である。乾燥によって皮膚を守るバリアが弱っており、汗や化学物質による刺激を受けやすくなることで痒みが出る。そしてそれを掻いてしまうとバリア機能が更に壊れてしまうという悪循環に陥ってしまう。また、ストレスなどの心理的要因によって特に痒くはないが、無意識に気になって搔いてしまう場合も見受けられる。

この場合、当人はほぼ無意識で行っていることもある。こうなると治療としては心理的要因を取り除くことが重要となってくるのである。治療法として薬を用いた治療の他に、生活環境の改善や、ストレス発散によっても改善することがある。いずれにしても発症原因を見極めて適切な治療を行うことが必要である。特に薬を用いる場合は炎症を抑えるステロイドを用いる場合が多い。

ステロイドにはその効き目の強さに応じて5段階のランク分けがされており、症状の重症度や患部、患者の年齢などを加味して適切なランクの薬を選択する必要がある。使用には医師の診察を受け、適切な治療法を行う必要がある。また、アレルギーが原因の場合には何が原因であるのかをしっかりと医師の診察の下で明らかにする。

原因除去がストレスになり逆効果になることも

安易にこれまでの生活から想定して抜くなどはやってはいけない。抜くことによってストレスになると逆効果になる場合もある。把握できていれば許容範囲内で制限することはないのである。それ以外にも日常生活からでも改善できることは数多くある。基本的なところでは、入浴やシャワーで皮膚を清潔な状態に保つことである。ここで注意したいことがいくつかある。

入浴自体が皮膚に刺激を与え、痒みを伴うことがあるため、痒みが出たら早めに上がることが肝要である。また、体を洗うときにはボディタオルなどで皮膚をゴシゴシ洗うのは控えたほうがいいだろう。敏感肌用など肌に優しいボディーソープを手で優しく塗り広げるだけでも十分洗うことができるようである。

最後に入浴後は保湿を行うことである。入浴後の肌は表皮の膜が剥がれているため、非常に外部の刺激に弱い。ここで保湿を怠ると、十分な膜が形成されず、症状が再発する原因となる。次に室内を清潔に保つことである。特に布団やじゅうたんなどはダニが発生しやすく、痒みの原因となることが多い。まめに掃除・洗濯をすることで清潔な状態を保つ。布団については、ポリエステル綿だとダニが付かないので有効である。

また、乾燥は天敵であるため、風通しを良くし、必要があれば加湿器などで湿度を適度に保つことが重要である。後は何よりも生活リズムを整えることである。睡眠不足や暴飲暴食によってストレスを貯めこむことは控える。運動をすることもストレス発散や健やかな生活には非常に有用である。しかし、汗をかいた後は速やかにシャワーを浴びるのを忘れてはいけない。

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他にも繊維質なチクチクする衣料品は避けるのが無難であろう。このようにアトピーが増えてきたのはストレス社会と言われる現代社会と生活習慣の変化によるところが多いのではないかと考えられる。逆に考えると、ストレスをうまく解消する方法を知り、生活習慣を保つように気をつけていればそれほど怖い病気ではない。

症状がでて自信喪失

いろいろと書いてきたが、皮膚という周囲に見えるところに症状が出ることから、皮膚の状態を見て、周りから不快に思われているのではないかと落ち込み自信を失ってしまうケースがある。この病気のせいで人と会うのが怖くなったり億劫になって、外因性の要因を受けにくいため外に出ないほうが症状が出ないから楽だといって引きこもってしまう人もいる。

これではますます社会から切り離されてしまい、外に出づらくなるという悪循環で状態は好転しない。それどころか、この自分の状況にうつ状態となってしまうこともある。テレビをつけても表舞台には確かに肌が綺麗な人が多いため、「それと比べて自分は・・・」と落ち込んでしまう。

しかし、彼ら彼女らは己の体を仕事道具として用いるプロなのである。そのような人はほんの1握りであり、殆どは体のどこかにコンプレックスを抱えているのである。それを認識するだけでも「自分だけが」と劣等感を抱かなくなるようになるのではないか。何か這い上がる「きっかけ」をつかむことが大事である。

それを差し伸べてくれるのは家族か、友人であるだろう。その人達の支えがあって新しい希望を見出して強い人間になることを望む。一方で、医師の診察を受けると、まず一番には「痒くても掻かないように」と言われる。それは至極当然な指摘ではあるのだが、痒みを理性で我慢できるほどではないことも多い。

更に掻いてしまった場合にその傷跡を見て「自分はなんて意志が弱いんだ」とネガティブな思考に陥り、ますます自信がなくなってしまうこともある。このようなときは自分の中だけに意識が行きがちとなってしまうが、周りを見渡してみると同じ症状に苦しんでいてもなお、明るく前向きに生きる人も意外と多いのも事実である。

1人で悩まない

どのように病気と付き合っていくかというのはそれぞれの考え方次第になってくる部分もあるが、たまに忘れて掻いて傷跡が残ってしまった場合でも「また直せばいいさ」と開き直ることも重要なのではないだろうか。長い期間を付き合っていかなければならないため、強い意志を持つことも重要であるが、気楽に考えて行くことも1つの考え方となってくるのであろう。

何よりも1人で抱え込まずに、周囲の信頼できる人に病気について打ち明けることができたら、心理的な負担は随分と軽くなるだろう。反対に現在の皮膚の状態の自分を受け入れてくれる人こそ、真の理解者として信頼できる相手であると気づいたという声も多い。どちらにしても、病気はその人の捉え方次第で明るくも暗くもなる。

隠したい気持ちもわからないことはないが、一歩踏み出さなければ状況は良くならない。最後に今回の記事についてまとめよう。アトピーはアレルギー性と環境性の2つがあり、何が原因であるのかを見極めることが大事である。そのためには医師の診察を受ける。しかし、ほとんどの場合は日常生活の心がけによって症状の大部分を改善できるケースが多い。

何よりも清潔な環境を整え、規則正しい生活を送ることが重要である。さらにこの病気はいい状態と悪い状態が交互にやってくるもので、これとは長い期間付き合わなければならない。その間には皮膚に傷跡が残るなど、肌の状態が悪くなってしまうこともあるが、気を落として塞ぎこむ必要は全く無い。周囲に理解者を作り、その人達の支えを受けることで病気を乗り越える自信をつけることが何よりも重要であろう。

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