アトピーで色々な軟膏を試してみ結果…。
〈注目記事〉アトピー肌用の入浴剤を実際に試した感想。実際どうなの?ステロイドを試してみたが・・・
一年程前の事です。一番最初の原因は良くわかりませんが、肌に水泡のような痒いものがあちこちにでき始めて痒くて夜も眠れない日が続きました。痒いので掻いて掻いて掻きまくってしまいます。人間、ある程度の痛みは我慢できますが、際限なく続く痒みに耐えるのは非常に難しいのです。
最初は近所の皮膚科から始まりました。そこでは男性の先生が私の肌を少し見ただけでステロイド軟膏を処方してくれました。ところが、塗っても塗っても一向に良くなりません。
私は、以前に言った事がある皮膚科に電車で通う事にしました。そこは女医さんで昔お世話になった際にすぐに肌が良くなった記憶があったのです。処方されたのはやはりステロイド軟膏。前の薬が効かなかったので更に強いステロイド軟膏が処方されました。「たっぷり塗ってしっかり直して下さい」と言われましたが、痒みは依然としておさまりません。薬が効かないので私はいつの間にか薬を塗るのをやめてしまいました。
薬を塗るのをやめたので一層痒くなり、いてもたってもいられません。ついに旦那に「一番の名医と言われる医者を検索してそこに通え」と言われてしまい、インターネットで「皮膚科」「名医」などと言うキーワードで皮膚科を検索しまくりました。
そしてついにステロイド軟膏を使わない治療をすると言う皮膚科のお医者様に出会う事ができたのです。
その先生に初めて「ステロイドの依存」と言う言葉を聞きました。待合室にはアトピーの患者さんいっぱいでした。顔にアトピーの症状がある人はみんなマスクをしています。そして、私の順番は朝一番で来たにも関わらず昼の2時過ぎ。ものすごく待ちましたが、先生の治療は私の肌を診た途端に「ステロイド依存ですね。ステロイドを抜く為に一切のステロイドを体に入れないようにして下さい。すごく辛いですが、騙されたと思ってやってみますか?」と言われました。
軟膏の薬は使わない!?
そこでは一切軟膏のような薬は処方されませんでした。処方されたのは痒み止めと夜良く眠れるようにする睡眠導入剤。それもそんなにキツくないものです。お風呂はシャワーを5分間以内。石鹸などの類いは一切使わない。肌を徹底的に乾かして保湿なども禁止、そして水分も余り摂取してはいけない。先生はこうおっしゃいました「僕の見立てでは治るまで3ヶ月くらいかな…。」
私は病院の帰りにその先生が出していると言う書籍を買い求めました。そこには先生が今日語りきれなかった知識がたくさん詰まっていて私は夢中に読みました。その数日後から私の地獄の日々がやってきたのです。
ステロイド依存からの離脱に寄る苦しみです。痒くて掻きむしった部分は化膿して黄土色の岩のような瘡蓋になりました。その瘡蓋から浸出液が大量に流れるのです。夜は激しい痒みと溢れる浸出液でとてもじゃないけど眠れません。私は生まれつきのアトピー性皮膚炎ではありませんでしたが、この時初めてアトピーの苦しみを味わう事になりました。
先生の治療法は「脱ステロイド」「脱保湿」そして栄養補給です。通常、アトピー性皮膚炎などの場合、あれは食べない方が良いとかこれを多く摂取するだとかアドバイスされる事が多いようですが、先生は「全てのものをバランス良くなんでも食べる事。但し、食べ過ぎに注意」と言う事でした。
肌の再生に欠かせないタンパク質を重点的に摂ると良いとは言われました。先生に寄るとタンパク質は牛肉から一番効果的に摂取できると言う事。私は本来魚の方が好きなのですが、その日からお肉を重点的に食べる事にしました。不思議な事に脂っこいものを食べてもそんなに太る事もなく、体は少し元気になるような気がしました。肌の再生に栄養を使っているようでした。
脱ステロイドのピークを過ぎる
三週間後に二回目の診察がありました。私はぼろぼろになった肌を先生に見せると「脱ステロイドの」ピークを少し過ぎたようですねと言いました。でも、余り実感がありませんでした。先生が「そのくらいの酷さだったらアトピー入院する人もいるよ。でも、あなたは仕事をしているので日常生活をなるべく続けた方が良いからもう少し頑張って通ってご覧」と言われました。
そう言いながらも私の背中は世界地図のような模様に瘡蓋ができてしまっています。体全体がまだら模様ですごく悲しくなりました。アトピー性皮膚炎で寝込んでしまい、社会復帰が難しい人は結構いるらしいのです。
ここの病院は日本でも数少ない脱ステロイド治療の為の入院ができる病院だったのですが、ここに入院しているアトピーの女の子と友達になりました。その子は横浜から来ていると話していました。生まれつきのアトピーで苦しんでいて、ここでの入院も二回目だと言っていました。
先生がおっしゃったようにその日を境に私の皮膚炎は徐々にですが下り坂になって行きました。しかし、ものすごくゆっくりのペースです。
浸出液は少なくなり、来ているものが汚れる度合いが少しずつ軽くなって行くのがわかります。
しかし、まだ痒みは残っているので痒い部分をバリバリと掻く日は続きます。ところが、今までは瘡蓋を掻いては新たに浸出液が出て新しい瘡蓋ができていたのに、この頃になると浸出液が少なくなって岩のような瘡蓋ではなく血液の混じった赤い瘡蓋になってきました。浸出液でできる瘡蓋よりも血液でできる瘡蓋の方が薄いものでした。
3回目の診察を受ける頃には赤い引っ搔き傷だらけになった私の体を診た先生が「順調ですね。赤い瘡蓋ができたらもう治るのは間近です」とおっしゃってくれました。とても嬉しかったです。それから先生がおっしゃる通り、赤い掻き傷が沈着して茶色い痣のような跡になりました。
もうほとんど痒くないし、あとは肌の茶色い沈着だけなので日にち薬で待つしかありません。もう、先生の診療を受ける必要がないと自分で判断して、その後の診察の予約はキャンセルしました。この時、先生の所を初めて尋ねてから3ヶ月が過ぎていました。先生が最初に宣言した期間にほぼ、治療を終える事ができました。
さて、それから年が明けて今年の5月。季節の変わり目にまたしても酷い痒みが遅い、情けない事に掻きむしってしまいました。私はしばらく我慢をしていましたが、やはり耐えられず再び先生の元を訪ねました。その時の先生の診断は「ヘルペス」でした。
かゆみの原因は・・・
私が去年、脱ステロイドをした時のそもそもの痒みの原因もヘルペスだったかもしれません。ただ、先生に診てもらったときはステロイドで肌がぼろぼろになっていたのでもう原因がわからなかったのです。結果、アトピーの症状が出て脱ステロイドで治療するしかなかったのです。
今度はあれからステロイド軟膏を一切使っていないので治りのピークはあっという間に過ぎ、現在は激しく掻きむしった為に残った色素沈着が薄くなるのを待つのみで、痒みはかなり治まり、肌の表面は普通にすべすべに戻りました。
生まれつきのアトピー性皮膚病でなかった事が治りを早めたと思いますが、ステロイド依存は怖いなと思います。持病に喘息を持っているので、その治療に強いステロイドを使った経験もあります。更に幼い頃に腎臓病を患い、強いステロイドで命拾いをしたと言う経緯もあります。
ステロイドはいい薬ですが、依存は怖いので今ではどんな医者にかかる時もお薬手帳は必ず持参し、ステロイドを処方してもらわないように気をつけています。
そして、皮膚の再生が終わったら肉中心の食事を戻さないと体重がオーバーしてしまう事も気をつけなければなりません。
色々勉強になりました。
<この記事はアトピーの方の体験談です>
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