息子がアトピー
息子がアトピーです。生まれた時はツルツルの肌だったのですが、生後3か月くらいしてから、湿疹ができ始めたのです。皮膚科を受診したところ、それは乳児性湿疹だと言われました。
乳児性湿疹とは、赤ちゃんが必ずと言っていいほどかかるものです。息子の上にいるお姉ちゃんも同じように乳児性湿疹に悩まされた経験があったけれど、一定期間を過ぎると治まったので、この子もそのうち落ち着くだろうと軽く考えていたのです。
しかし、その後1カ月、2か月、3か月と経過しても、少しも良くなりません。良くならないどころか、どんどん悪化して行くのです。そこで、再度皮膚科を受診したところ、アトピーだと診断されてしまいました。とてもショックでした。アトピーと言うのはいつまでも治らない、大変な病気だと思っていたからです。
それから、アトピーのことを本やネットで調べました。とにかくアトピーに関する情報が欲しかったし、自分自身とても無知だったため、何とかして、目の前の息子を少しでも楽にさせてあげたいと必死だったのです。そして、色々調べたところ、服の素材も肌状態を左右させるということを知りました。
洋服の素材選び
もちろん息子はまだ赤ちゃんだったので、使用している服の素材はほとんどが綿です。しかし、服の素材には、綿の他にも、ナイロンやポリエステル、レーヨン、アクリル・・・・色々なものがありますね。今後服を選ぶ際に、この点をシッカリ注意して行かなければならないのだと、驚きました。
私はアトピーではないので、それまで、洋服の素材を意識したことがありませんでした。もちろん、素材によって着た雰囲気がいいと感じるものやごわつくものもあります。形と素材がマッチしていないと似合わなくなってしまうものもあります。でも、肌にとってどの素材がいいかという点で選んだことはありませんでした。
例えば、毛が多いと太って見えるから嫌、とか、レーヨンが少しでも入っているとテロンと落ちる雰囲気が痩せて見えて好き、とか、ポリエステルが入っているとしわになりにくいから手入れが楽、とか、そんな理由で服を選んでいましたね。
けれど、アトピー肌には、その子にどんな服が似合うか、というのではなく、その子の肌に一番刺激が少ないものは何か、という点で選ばなければならないのです。なんとなく選択肢が狭められてしまうような気がして、少し悲しかったです。
その後、息子は成長し6歳になったのですが、やはり赤ちゃん時代と違って、綿以外の素材の洋服も着せたいなと思うことが増えてしまいました。例えば、幼稚園の制服も、若干ですが、綿にレーヨンが含まれています。しわになりにくく、テロンと落ちる感じが素敵なのですが、息子の肌に大丈夫なんだろうかと心配しました。
実際、素肌に制服を着ることは少ないので、大丈夫でしたが。しかし、長そでの制服を着る際、中は暑くても、半袖ではなく、長そでを着せるように気を付けていました。素肌が直でレーヨンに当たらないためです。
その後、息子はみんながはいているデニムを履きたいと言いだしました。デニムの素材を見てみると、ポリエステルだったり、リネンやラミー等の麻、綿、シルク、レーヨンなどが含まれています。
さらに糸にも、ラメやプラチナ、金、銀糸などを使用しています。様々な素材が入り組んでいるデニム。これを素肌に履くのは大丈夫だろうか、と抵抗を感じました。その為、可哀想だけれど、綿素材のスウェットを履かせていたのです。パジャマのような素材ですよね。
冬はトレーナー、夏はTシャツ、下に履くのはスウェット。そのうち、息子はそんな服装が嫌だと駄々をこねるようになってしまいました。しかも小学校に上がると、運動会では、ジャージを着用するようにと学校で指定されてしまいます。
ついに、息子も綿以外の素材デビューする時が来たのか、と仕方なくデニムとジャージを購入しました。その時の息子の喜びようは本当にすごかったです。
しかし、素材を見てみると、ジャージにはポリエステルが入っていたし、デニムにはレーヨンが入っています。私としてはとても不安でしたね。この肌状態がもっとひどくなったらどうしよう、と。
しかし、綿以外の素材のものを履いたからと言って、特別大きな変化があったかと言うとそうでもありませんでした。元々肌状態がいいわけではなかったので、多少赤みが増したとしても気づきにくいというのもあるのですが。
そのころ、素材ばかりにこだわってしまっていたけれど、もしかしたら、もっと息子のアトピーを改善させるいい方法があるのでは?と考え始めていました。
この子がしたいと思うこと、着たいと思う服を全て我慢させるのではなく、やりたいこと、着たいものを叶えてあげたうえで、もっと肌状態を改善させられたら・・・と思ったのです。
保湿だけで対処
当時、通っていた皮膚科では、ステロイドの薬は使用しない方針を貫いていました。どんなに痒くても、赤みが強くても、とにかく保湿だけで対処するよう言われていたのです。
どうしても辛い時は、漢方の塗り薬をつけるように言われていました。そしてかゆみ止めの飲み薬を処方されていたんです。でも、一向によくはなりません。
別の病院も受診
それまで長い月日を通い続けた皮膚科を変えるのは勇気が行ったのですが、1度、別の皮膚科も受診してみようと主人と相談し、評判のいい皮膚科へ行ってみました。
そこでは、息子の肌状態を見て、「どうしてこんなになるまで放置していたの」と驚かれてしまいました。そして、経緯を話すと、「この状態は肌が炎症を起こしている状態だから、いくら保湿しても無駄なんだよ」と教えてくれたのです。
その後、そこで出してくれた抗生物質の飲み薬と、ステロイドの薬を使用し始めました。最初は騙されているのでは?と半信半疑ではありましたが、先ずは信じてみようとその薬を使ってみたのです。
すると、それまで赤くガサガサだった肌が見る見るうちに治っていったのです。更に息子の表情もすごく明るくなり、夜はぐっすり眠ることが出来、今までなんだったんだろう?と思うほど改善して行ったのです。本当に驚きました。
これまで、乾燥だと言われていた肌のガサガサは、本当にタダの炎症だったのです。だから、炎症を抑える薬を使用すれば、治るのです。それまで長く受診していた皮膚科で出されていた薬が肌に合わず、そのため炎症が起こっていたようです。そのことに、私たちはもちろんのこと、その皮膚科の先生も気づけなかったという事なんですよね。
この時、初めて、病院はいくつか点々とするべきだと気づきました。あのまま、皮膚科を変えずにずっと通っていれば、多分未だに真っ赤な肌で、痒みと痛みに泣きわめく息子を抱えていたと思います。そして、着たい服もやはり制限させてしまっていたかもしれません。
症状が良くなりました
今は、アトピー自体は完治していないので、ちょっとした時に赤みが出たり、湿疹が出たりはしますが、肌自体がとても強くなり、以前よりはかぶれにくくなりました。
服の素材も、レーヨンやポリエステルが入っていても、購入して着せています。息子が着たいと言うからです。また赤くなれば、薬を付けて落ち着けてあげればいいや、と軽い気持ちで息子を見守ることが出来るようになりました。すると私も息子もストレスが減少したため、さらに肌状態も良くなってきた気がします。
アトピーと言うのは、服の素材ももちろん大切ですが、適切な薬を使うこと、その子に会った皮膚科を選ぶこと、ストレスを排除させ、しっかりと睡眠をとること、等もとても大切なんですね。
これからは、レーヨンが入っていても、問題なく着せていきます。アトピーに大切なのは、素材がその肌に合うかどうかじゃなくて、その子がどうしたら元気になるか、なのだと思います。
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