アトピーでうつになりかけた私

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中学生からアトピーでした

 
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皆さんはアトピー性皮膚炎と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

 四六時中かゆそうにしている、顔や腕が真っ赤でボロボロ、フケが出て汚いなどなど。詳しくは知らなくても、何となくネガティブなイメージを抱かれていると思います。でも、アトピーはまったく珍しい病気ではありません。小学生が100人いれば2~3人は発症するくらいの確率だと言われています。学校のクラスに一人はアトピーの子がいる程度の割合です。だからみんな、どういう症状なのかは漠然と知っているんですね。

 私がアトピーを発症したのは比較的遅く、中学校1年生の夏頃でした。最初は首のあたりがかゆくなってきて、かいているうちに悪化し、あれよあれよという間に全身に症状が出ていました。原因が何なのかは今でもわかっていません。中学に上がって新しい部屋を作ってもらったため、その部屋に使われていた塗料やニスなどが原因ではないかと両親は疑っていましたが、結局証拠はつかめませんでした。

そもそもアトピーという名称は、ギリシャ語の「atopos(アトポス)」に由来するのですが、これは「特定されていない」という意味なんです。多くの場合、原因はわからないということです。

 発症からしばらく後、あまりに症状がひどいので、麻疹にかかって以来の皮膚科に行き、そこで自分がアトピーだと知りました。それ以来、私とアトピーとの戦いの日々が始まりました。それは両親にとっても同じだったと思います。

 薬を塗ると症状はすぐに改善されたのですが、アトピーの怖さがわかるのはむしろそれからでした。アトピーは、薬を塗ったり飲んだりすればそれで終わりというものではありません。大抵はよくなったり悪化したりを繰り返します。私の場合、ちょっと薬を塗り忘れるとすぐに悪化したため、まったく気を抜くことができませんでした。

 本当にひどい時は、風がそよいだだけでもかゆく、さらには痛みを伴うのです。かきむしれば皮膚は破け、血が出ます。下着は血まみれになりますし、指も血だらけです。衛生上よいことではありません。何よりも、集中力がなくなって学業に支障をきたしたのと、夜十分に眠れなくなったのが大きな問題でした。

両親は私の手が届かない背中に薬を塗ってくれ、刺激物が悪いと聞いていたので辛いものやカフェインが入ったものはなるべく食べさせないなど、かなり気を使ってくれました。下着だっていくつ捨てたかわかりません。初期の頃は本当にひどく、うつになりそうでした。

高校生で落ち着きました

 
 それでも高校生になると、多少症状は落ち着きました。その頃から、もう少し根本的な治療ができないか考えるようになりました。大学に上がった頃、同じ大学の医学部の附属病院で、より詳しい検査を受けました。一つは、アレルギーの有無。もう一つは、肌の乾きやすさです。結果はあまりよくありませんでした。

私は花粉などいくつかのアレルギーがあったのですが、その中でもダニやホコリ、いわゆるハウスダストに対して極めて強いアレルギー反応を起こすとわかったのです。さらに肌から水分が蒸発する時間も標準よりかなり早く、乾燥肌といってよいとのこと。いろいろな点で症状の悪化しやすい体質だったのです。

 その大学病院では、体質改善のための漢方薬を処方してもらいました。これはかなり効果があり、おまけとしてくしゃみや鼻水も出にくくなりました。それほどひどくはないとはいえ、やはり花粉症の症状もあったわけです。薬も症状が落ち着いてからは少し弱めのものに切り替え、むしろ保湿剤を多く処方してもらうようになりました。肌の潤いを保つことが、症状を抑えるための大きな要素だとだとわかってきたからです。

 一方で、自分の生活環境の改善にも力を入れ始めました。ハウスダストが最大の敵だとわかった以上、部屋にはホコリ一つ落ちていてほしくありません。物臭な自分が掃除だけはしょっちゅうやるようになりましたし、ダニが住み着かないようベッドのシーツを特殊なものに変え、晴れた日には天日干しもしました。

もちろん花粉がついてしまっては意味がないので、時期によっては干そうにも干せない場合もありましたが。冷暖房も必要以上に使わず、加湿器を併用するなどして部屋の湿度の維持に努めました。

 そんなこんなで、大学時代にはアトピーは寛解(症状が消えている)の状態にあり、私はうつからも解放され、比較的落ち着いた生活を謳歌していました。

社会人でアトピー再発

 
 しかしここへ来て、思いもよらない罠が待っていました。

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 大学を卒業した私は地元の企業に就職しましたが、ここがお世辞にも労働環境のよい会社とは言えませんでした。労働時間が半日を超えるのは当たり前で、しかも体力仕事です。おまけに人間関係が地獄絵図で、私は常に胃の痛い思いをしなければなりませんでした。

極めつけに、途中から勤務時間が午後~真夜中に変わり、家族や友人ともずれたリズムで生活しなければなりませんでした。食生活は乱れ、日によっては風呂にも入らずベッドに倒れ込むこともありました。

 この頃から、急激にアトピーの症状が悪化し始めました。さらに、薬を塗っても治りが遅くなったのです。当然といえば当然です。大学時代に築き上げてきた体質改善のための方策はすべてなくなってしまったのですから。食事はコンビニ弁当、掃除をしている暇なんてない。生活リズムの乱れ、心身の疲労、極度のストレスが襲いかかってきて、一気に症状を悪化させ、うつになりかけました。

よりにもよって接客業だったので、ボロボロの肌をお客に晒すことになり、余計につらい思いをしました。お客さんだって、あの焼け野原のような皮膚は見たくないでしょう。

 この時私はようやく、ストレスのない規則正しい生活がどれほど皮膚にとって大切かを知りました。しかし時すでに遅く、アトピーと仕事の二重地獄で、うつうつとした日々を送っていました。

 それでも我慢しているうち、最後の数ヶ月はある程度自由の効く部署にいられました。休日は安定して取れますし、肉体労働に費やす時間も減りました。再びきれいな皮膚と自由な時間を取り戻しつつあった私は、転職を決意しました。紆余曲折あってすぐに再転職をすることにもなりましたが、最終的にルート営業の職を手に入れ、不安定な生活からは解放されました。

 が、ここに来て最後の試練が。

状況の変化で再悪化

 
 その職場、つまり今の職場は結構専門的な内容を扱っていて、1年間東京の本社に研修に行く必要があったのです。大学までずっと実家で暮らしていた私にとって、初めての1人暮らしです。しかも東京とは。もうこの時点で嫌な予感がしていましたが、これをクリアしなければ地元での安定した営業職は手に入りません。

 はい、予想された通りです。アトピーは再悪化し、うつの症状も悪化しました。

 まったく経験したことがない環境での生活は、想像以上のストレスでした。1人暮らしの自由など知ったことか、です。東京での夏が、覚えている限り最後の地獄でした。夏の東京は地元に比べて非常に暑く、どちらかというと冬の乾燥が厳しかった地元とは真逆の苦しみを味わいました。おまけに、運悪く薬が切れたタイミングでお盆休みに入ってしまい、周辺の皮膚科が全部休みになってしまったのです。

あの時ばかりは間抜けな自分をぶん殴りたくなりました。ちゃんと早めに皮膚科に行けばよかったのに。薬がない状態での数日間はどう過ごしたのか、今でも思い出したくありません。

 ただ不思議なことに、夏を乗り切った頃から、急速に症状が改善し始めました。元に戻ったのではなく、肌の質自体が前よりよくなったのです。何故こうなったのかははっきりしませんが、おそらく原因は食事です。私は自炊が苦手ですが、食生活がアトピーに与える影響はよくわかっていたので、またコンビニ弁当や外食ばかりの生活には戻りたくありませんでした。

色々考えた結果、東京時代の後半は、野菜サラダや納豆、チーズ、小魚などをボリボリかじるという、ウサギか何かのような食事が中心になっていたのです。栄養価が高く、消化にいいものばかり食べているのですから、体に悪いはずがありませんよね。

 その後地元に戻ってきた私は、アトピーの症状も沈静化した日々を送っています。これまでのアトピーとの戦いの中で、私が重要視したのは次の3つです。

1.規則正しい生活
2.ストレスのない生き方
3.皮膚に優しい環境づくり

 何のことはない、健康のために大切なことばかりですよね。思うに、アトピーがまったく改善しない人は、「平和な生活」を送れていない可能性が高いのではないでしょうか。対症療法としての薬は確かに重要です。ですがアトピーは決して完治しない病であり、一生付き合っていくべき厄介な友人なのです。彼のせいでうつにならないために、もっと生活の質を見直してみませんか。

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