生まれて数カ月でアトピー
私は生まれて数ヶ月の検診で、アトピーと診断されました。幼稚園の頃は特に肌荒れがひどく、当時の写真は両腕両足の間接に包帯が巻かれている姿ばかりです。
顔も赤くなり、常に掻きむしった跡が痛々しく残っています。しかし幸いにも幼稚園の先生方は私のアトピーをしっかりと理解してくださり、日中突然全身を掻きむしってしまうことも多くありましたが、そうなると職員室の冷蔵庫に常備されている私専用の濡れタオルをすぐに持ってきてくれて、かゆい箇所に当ててくれたのを良く覚えています。親にも先生方にも「かいちゃダメ。たたく。」とよく言われていたのを今でもしっかりと覚えています。
そのうえ私には生卵アレルギーもあり食事にも気を使わなければなりませんでした。友達と同じ物を食べられなかったつらさは常に感じていましたが、生まれた時からそうだったため幼いながら心のどこかで諦めていたのかもしれません。幸いなことに重度のアレルギーではなかったため、誕生日にはケーキを少しだけ食べることが出来ました。
朝晩の儀式
そのときのケーキはどの食べ物よりも特別おいしく感じました。朝晩儀式のように行なわれる薬を塗る作業。アトピーは乾燥が大敵のため、常に保湿を心掛けなければなりません。そのため薬で全身がべとべとでした。
寝ている時もかきむしってしまうためパジャマやシーツは血だらけ。すこしでも肌への負担を抑えるためコットンの手袋をしたり、ひどい時は手錠を掛けるようにして腕を結び眠ることもありました。
水泳の授業も常に欠席でした。プールには肌には刺激の強い薬品が入っているため、入った後は肌がピンク色に変色し非常に強く乾燥してしまいます。幼い頃から入ってはいけないと言われ続けてきたので、今でも水が苦手で泳ぐことはできません。
それで困ったことは今のところありませんが、アトピーが理由で友人の誘いを断ることも多くあり、もっと楽しい経験が出来ていたかもしれない、と考えると少しだけ悔しいきもちになりますが、誰が悪いわけでもなく、最近ではこれも私の個性だと思えるようになってきたのでずいぶん気持ちが楽になってきました。
そう思えるようになったのも二十歳を超えてからで、だいぶ時間が掛かったようにも思えますが、これからもうまくアトピーと付き合って行かなければならないことを考えると、この段階でそう思えるようになったことは幸せかもしれません。それも両親が根気強く私のアトピーに向き合ってくれたからだと思います。
食事制限や通院、幼稚園や学校への連絡など、相当な負担になっていたことは間違いありません。アトピーのことでつらい思いをすることはありましたが、深く悩むこともなく明るく日常生活が送れるようになったのは間違いなく両親のおかげです。
<この記事はアトピーの方の体験談です>
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